ホームページを月額制で利用、制作するサービスは、Web開発時の初期コストを抑えつつ、サイト公開後の運用負担を軽減できる頼れる選択肢です。しかし「月額費用でどこまでやってもらえるのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、月額制ホームページ制作サービスの主な内容や選び方、事前に知っておくべき注意点について詳しく解説します。自社に最適なサービスを見つけ、安心してホームページを運用するための参考にしてください!
◆目次
Toggle1. 月額制ホームページサービスの概要
ホームページ制作における月額型と買い切り型の違い
従来、ホームぺージ制作を行う際には、制作会社へ契約時にホームページ制作費用を一括で支払い、買い切る形が一般的でした。しかし近年では、月額制という新たな選択肢も出てきており、費用体系は「買い切り型」に「月額制」を加え、2種類となっています。
月額制は毎月一定の料金を支払うことで、ホームページの制作や運用、管理などのサービスを利用できます。一方で買い切り型は初期費用を一括で支払い、その後はサイトの更新や修正を制作会社に依頼する際にのみ追加費用が発生する方式です。
月額制の特徴は、初期費用が低く抑えられる点と、運用中のサポートが充実していることです。特に中小企業では、初期コストの軽減や専門知識がなくても運用ができる点がメリットとなります。ただし、長期間利用すると、トータルコストが買い切り型より高くなる場合があるため、利用目的や予算に応じた選択が重要です。
月額制のメリット・デメリット
初期コストがかからないことが魅力ではありますが、注意点もあります。特に長期的に利用した際のコストやサービス終了時の対応については、各社のサービス方針によって大きく異なるポイントのため、事前に必ず確認が必要です。
メリット
- 初期費用の削減:低コストでホームページをスタート可能。
- 継続的なサポート:トラブル対応や定期的な更新が含まれている場合が多い。
- 最新技術の導入:定期的なアップデートや機能追加が容易。
デメリット
- 長期的な費用負担:利用期間が長くなるとコストが割高になる場合がある。
- サービス内容の制限:プランによっては、デザインや機能に制約があることも。
- 契約終了のリスク:契約を終了すると、ホームページのデータが引き継げない場合がある。
2. 月額制ホームページはお得?
結論、Web担当を置けないが、Webを活用したPRがある程度必要な企業にとっては「お得」だと言って良いでしょう。
特に中小企業において、専任のWeb担当者を置くのは難しいケースの方が多く、Webに詳しい社員が兼業で対応することも少なくありません。しかしこのケースでは、そのWebに詳しい社員が退職してしまった際に、自社のWebサイトの運用手法がブラックボックス化してしまいます。加えて、買い切り型でホームページを制作したとしても、WebサーバやWebドメインなどの保守や維持が自社で難しい場合には、保守料として数千円から数万円がランニングで発生します。そのため、月額制の料金体系やサポート内容にもよりますが、自社で難しい作業や管理などをアウトソースし、ムラなくサポートを受けられる部分が大きな利点です。
月額制ホームページのサポート内容
月額制ホームページサービスは、初心者でも安心して利用できるように、以下のようなサポートを提供されるケースがほとんどです。
- 初期設定サポート:
ドメイン取得やサーバー設定など、専門知識が必要な作業を代行。 - 運用相談:
定期的なアドバイスや運用のコツを提供してくれるサポート窓口。 - トラブル対応:
サイトのダウンやエラーに迅速に対応するサービス。 - 教育コンテンツの提供:
操作ガイドやビデオチュートリアルが付属している場合もあります。
これらのサポートが充実しているため、ITの専門知識がなくても、手軽にホームページ運用を始められるのが月額制サービスの大きな魅力です。
3. 月額制ホームページ制作で得られる主な機能
Webデザイン・サイトマップ制作
発注者側にWebの知識がなくとも円滑に制作を進められるように、Webデザイン・サイトマップ制作を制作会社の方で対応するケースがほとんどです。これにより、プロのデザイナーに依頼しなくても、自社のブランドイメージに合わせたホームページを作成できます。制作において以下の対応がどのようになっているかは事前に確認が必要です。
- テンプレート使用の有無
オリジナルでのデザインが可能か? - レスポンシブデザイン対応
スマートフォンやタブレットに対応したデザインが標準装備されていか? - 画像・動画の埋め込み対応
数量や容量に制限はないか? - フォントやカラーのカスタマイズ対応
企業のロゴやブランディングに合わせてフォントや配色を自由に調整できるか? - サンプルコンテンツの提供
制作会社であらかじめサンプルの原稿や画像を用意してもらえるか?
SEO対策サポート
検索エンジンでの上位表示を目指す中小企業にとって、SEO(検索エンジン最適化)機能は欠かせません。月額制サービスでは、SEO対策をサポートする機能が提供されていると謳っている制作会社も多いですが、具体的に「何を」「何のために」「どうするのか?」を聞いてみると良いでしょう。Webに詳しくない発注者に対して、SEOの概念をわかりやすく説明できる担当者かどうかも重要です。
- キーワード提案:
サービスによっては、業界に合わせた最適なキーワードを提案する機能も。 - メタタグ設定:
ページタイトルやメタディスクリプションを簡単に編集可能。 - 見出しタグ(H1〜H6)の最適化:
ページ内の構造を整え、検索エンジンが情報を把握しやすい形で提供。 - 画像SEOサポート:
画像の圧縮やALTタグの自動設定で、ビジュアル面でもSEO効果を向上。 - URLの最適化:
ページごとにカスタムURLを設定でき、検索エンジンに適した構造を構築。 - 内部リンク最適化:
関連するページ同士を自動でリンク付けし、サイト内のナビゲーションを強化。 - サイトマップ生成:
サイトの構造を検索エンジンに伝えるためのサイトマップ生成。 - ページ速度の最適化:
サイトの読み込み速度を高速化する機能が組み込まれている。
保守・セキュリティ管理
月額制ホームページ制作サービスでは、運用後の保守やトラブル対応を含むサポートが充実しており、企業が安心してサイトを運用できる環境が整っています。ホームページの公開後の運用には、セキュリティ対策や保守管理が不可欠です。月額制サービスでは、これらを一括して管理してくれるため、安心して運用を続けられます。
- 定期的なバックアップ:
サーバートラブル時にもデータを迅速に復元するためのバックアップ。 - SSL証明書の提供:
HTTPS通信を標準装備し、サイト訪問者の安全性を確保。 - 不正アクセス防止:
サイトに対するハッキングやマルウェア攻撃を防ぐセキュリティ設定。 - ソフトウェアやプラグインの更新:
常に最新のセキュリティ状態を維持。 - トラブルシューティング:
サーバーエラーやページの不具合を原因から修正。
コンテンツの修正・更新代行
月額制ホームページ制作サービスでは、サイトの運用後に必要なコンテンツ修正や更新作業を代行してくれるオプションが用意されている場合が多く、これが大きな魅力となっています。特に、忙しい中小企業の運営者にとって、コンテンツ更新をプロに任せられるのは運用負担の軽減に大きく寄与します。
- コンテンツ修正サービス:
テキストや画像の変更を代行し、運営者の負担を軽減。 - 定期的なデザイン刷新:
必要に応じてデザインやレイアウトの変更も依頼可能。 - 新ページの作成:
商品紹介やブログ記事など、新しいページをプロが設計し追加。 - 既存ページの最適化:
情報が古くなったページのリライトや、画像の最適化を実施。 - フォームの内容変更:
新しい質問項目の追加や、不要な項目の削除を実施。 - ランディングページ作成:
特定のキャンペーンや広告に特化した効果的なページデザイン。
4. 月額制ホームページの注意点
契約期間の縛り
月額制ホームページサービスを選ぶ際に、最も注意が必要なのが契約期間の縛りです。多くのサービスでは、最低契約期間が設定されており、途中解約すると違約金が発生する場合があります。
- 最低契約期間の有無:
契約期間や違約金の条件を事前に確認し、自社の計画に合った柔軟なプランを選びましょう。 - 長期契約の割引:
長期契約で料金が割安になるプランもありますが、サービス内容をしっかり理解した上で選ぶ必要があります。
データ所有権の不透明さ
多くの月額制サービスでは、ホームページデータが制作会社側に属する仕組みになっており、契約終了後に利用者が持ち出せないことが一般的です。
- 解約後のデータ譲渡規定の有無:
解約後にHTMLデータ等の譲渡が可能かどうかを確認しましょう。 - 解約後の移行費用について:
他のサービスに移行する場合にどのようなフローになるか、制約はあるかを確認しましょう。
プラットフォーム依存のリスク
月額制サービスは、独自のプラットフォーム上(例えば、WIXなど)で動作することが一般的であり、他のサービスやCMS(WordPressなど)への移行が難しいケースが多々あります。
- 利用するプラットフォーム:
何のプラットフォームを利用して制作するかを確認しましょう。 - 他プラットフォームとの互換性の有無:
他のサービスに移行する場合に他のプラットフォームで利用できるかどうかを確認しましょう。
将来的な拡張性の確認
中小企業の事業拡大に伴い、ホームページに求められる機能や容量が変わる場合があります。月額制サービスがこれに対応できるかどうかを確認することが重要です。
- プラン変更の可否:
利用開始後にプランをアップグレードできるかを確認しておきましょう。 - カスタマイズの自由度:
企業独自の要件に対応するため、カスタマイズオプションが豊富なサービスを選ぶことをおすすめします。 - データ移行の可能性:
サービス終了後に他のプラットフォームに移行できるかも重要なポイントです。
隠れたコストに注意
月額制サービスは一見手頃な価格に見えますが、基本料金に含まれない追加費用が発生するケースもあります。
- 追加費用の例:
ドメイン取得費用、カスタムデザイン費用、サーバーの容量超過料金など。 - 確認する項目:
契約前に「基本料金に含まれる内容」と「追加料金が発生する条件」をしっかり確認しましょう。
5. 月額制ホームページの費用感と選び方
月額費用の相場感について
中小企業向けの月額制ホームページサービスは、料金プランによって大きく異なります。以下は、一般的な費用相場の目安です。
- 基本プラン:月額3,000円〜15,000円程度
シンプルなデザインテンプレートや基本的な運用サポートが含まれるプラン。 - 中級プラン:月額10,000円〜30,000円程度
カスタマイズ性やSEO対策、追加機能が充実したプラン。 - 上級プラン:月額30,000円以上
フルカスタマイズ可能で、専属の運用サポートが付帯するプラン。
これらの費用には、ドメイン費用やサーバー管理費用が含まれている場合が多いですが、詳細は各サービスのプラン内容を確認する必要があります。
中小企業に最適な選び方
月額制サービスを選ぶ際は、自社のニーズや予算を明確にすることが重要です。以下のポイントを基に比較検討しましょう。
- 運用目的を明確にする:
ホームページで集客を狙うのか、情報提供に特化するのかによって必要な機能が異なります。 - 必要な機能を洗い出す:
予約システムやEC機能が必要なのか、基本的な情報発信だけで十分なのかを判断します。 - サポート内容を確認する:
トラブル対応や更新サポートがどの程度充実しているかを確認しましょう。 - コストパフォーマンスを評価する:
初期費用・月額費用に対してどの程度のサービスが得られるのかを比較することが重要です。
6. 制作会社を選ぶ一番の”決め手”は?
もちろん価格ではありますが、現在は月額制ホームページ制作を対応する制作会社も増えており、横並びにした際の料金形態は大きく変わらなくなってきているように感じます。前提として、ホームページ制作の目的が「Webマーケティングによる集客」「Webを安心できる会社にアウトソースしたい」ということであれば、制作会社のミッションや制作スタンス、実績やマーケティング知見、アフターサポート内容、今後のサービス拡張性、担当者と肌が合うかなどが重要な前提基準になります。
今一度、発注者側でもホームページ制作で実現したいことを明確にし、自社の決め手が何なのかを把握しておくことで制作会社選びに悩まずに、スムーズにホームページ運用を開始ができます。